田中さん①
どうも、ぼこです。
待望の文通相手との出会いを、やっと体験出来た、ぼこ。
前回のお話しはこちら👇
映画のような本当の話し
…あの日から、早1ヶ月。
電話番号を交換していたので、今やすっかり電話でのやり取りになっているはずの、田中さんから、突然の手紙が⁉️
その内容とは❓
『ぼこ君、お元気ですか?』
『あれから、電話で色々な話しが出来て、私も楽しかったよ』
『趣味の事とか、今度行く予定の映画の事とか』
『そうそう、今度の映画を観る約束なんだけど、突然体調を崩してしまって、当分行く事が出来なくなってしまったの』
『ごめんなさい。』
『また、体調が回復したら、遊ぼうね』
…田中。
(田中さん、どうしたんだろう❓)
(あんなに元気だったのに)
(心配だなぁ)
それから、田中さんにも悪いので、電話も出来ず、ひたすら待ち続けて、また2週間が過ぎた頃…
電話が鳴った❗️
田中『ぼこ君約束していたのにゴメンね』
ぼこ『良いんだよ!そんな事より田中さん体調は?』
田中『なんとか良くなったんだけど…』
ぼこ『だけど?』
田中『ううん、何でもない』
田中『この前約束した映画、まだ間に合うから行こっか?』
ぼこ『田中さんの体調が良ければ行こう!』
そして、約束した当日…
田中『ゴメンね、この前は突然に』
ぼこ『いや、良いんだよ。それより大丈夫なの?』
田中『…』
ぼこ『???』
田中『行こうか!』
(なんか様子が変だぞ?)
(まさか、何も言ってない前から、もう振られたとか!?)
意味が分からない(笑)
そんな、ちょっと微妙な感じのまま、
2人で映画館で映画を見始めた、ぼこ達。
映画が始まって、しばらくして…
田中『ちょっと、ゴメンね!』
ぼこ『???どうしたの?』
田中『ちょっと、トイレ行ってくる!!!』
ぼこ『大丈夫?』
そう言い残して、走り去って行く、田中さん。
(どうしたんだろう❓)
2時間半の映画が始まって、まだ残り1時間もある頃に、突然いなくなってしまった田中さん。
そのまま女子トイレに行くわけにも行かず、しょうがないので1人で映画を観る ぼこ。
だけども、田中さん、10分経っても、20分経って帰って来ない。
(どうしよう❓どうしたら良いんだろう❓)
そんな事を頭の中で考えているうちに、とうとう映画が終わってしまった‼️
(どうしちゃったんだろう❓)
とにかく、トイレの前で待ち続けるしかない ぼこ。
映画が終わって、少し経った頃に顔色が悪い田中さんが出て来た。
ぼこ『田中さん!大丈夫!』
田中『少し落ち着いたから、大丈夫』
ぼこ『今日はもう帰ろうか?』
田中『うん。』
そう言って
元気のない田中さんと一緒に、駅まで向かう、ぼこ達。
その駅までの帰り道で、田中さんが、ポツリポツリと話し始めた。
田中『実は、変なの。』
ぼこ『変?』
田中『身体が変なの。』
ぼこ『??どういう事?』
田中『ぼこ君とこの前映画に行く約束のちょっと前に、友達とイベントに行ったの。』
ぼこ『…』
田中『その時に、すごい、ものすごい不安感みたいな物が急に襲ってきて❗️』
ぼこ『うん。』
田中『もう死んじゃうんじゃ無いかってくらいの。』
ぼこ『えーー!!!そんなに❓❓』
田中『それで、死んじゃう❗️って叫んだ所までは覚えてて…』
田中『そのまま気を失って、医務室に運ばれて…』
田中『その後くらいから、電車に乗ったり、違う所に行ったりすると、たまにその不安感の塊が襲って来て…』
田中『だから、大きい音とか苦手で…』
ぼこ『それで、さっきの映画が…』
田中『そうなの。映画も、音が耐えられなくて…』
田中『今日はもう大丈夫だって、思ったから誘ったんだけど、ゴメンね。だから…』
そう言った頃には、もう、駅のホームに着いていて、田中さんが帰る電車が発車しようとしていた。
田中『だから、もう会えないかも知れない(泣)』
そう言って、田中さんは泣きながら、電車に乗り込んだ‼️
ちょうどその時、発車のベルが‼️
(ジリリリリリリ‼️)
駅員『発車しまーす❗️』
その時、ぼこは‼️
続く…